🎹私が大切にしていること
レッスンを行う中で、私が一貫して大切にしてきたことがあります。
それは、生徒さんの
「ピアノが好き」「ピアノって面白い」という気持ちを育てて、ピアノや音楽が、人生のよき友となってくれることです。
ピアノを弾けることはとても楽しいことですが、やがて、 譜読みの壁、技術の壁、本番でのメンタルの壁、ほかの何かとの両立の壁・・・さまざまな形で、ハードルが現れます。
その際には、どうしたら、ピアノが好きでいられるか、その子の心を守れるか、ご家庭と連携して、一緒に乗り越えてきました。
できないことに向き合い、工夫し、考え、乗り越えることの大切さをピアノが教えてくれ、私自身も毎回勉強させていただいています。
生徒さんの音楽を楽しむ気持ちを守りながら、支えていきたいと思っています。
🎹技術と心を、同時に育てる
演奏は正しい姿勢で、適切なタッチを。
目指すところはいたってシンプルです。
けれど、呼吸が止まったり、つい肩が上がってしまったり、腕に力が入ったり、ペダルにまで気が回らなかったり。
手の形や成長の仕方は一人ひとり違います。
たとえば小学生の生徒さんで、1オクターブが届くようになったときに、
努力によって手が広がるようになったのか、自然に成長したのか?
さらに言えば、その成長は、手のひらが大きくなったのか、指が伸びたのか。
同じ「届く」でも、身体の内側ではそれぞれ別な変化が起きています。
また、ピアノで使うのは手だけではありません。
背中、姿勢、頭の位置、腰、呼吸、重心のかけ方・・・
足先から頭のてっぺんまで、ピアノを弾くときに関係のない体の部位は一つもないのです。
だからこそ、生徒さんの全身を見て、身体の使い方を観察して、分かりやすい言葉、無理のない方法で指導をします。
ただ、正しく弾けることと、聴く人の心に響くことは、実はイコールではありません。
ピアノは10本の指を使い、一度に鳴らす音数が多く音域が幅広いため、正確に弾くだけでも大変な楽器です!
楽譜の背景や響き、音の意味を考え、曲が本来持っている姿を自分の心と身体を通して外へ伝えます。
技術の向上とともに「考える力」「感じる力」も同時に育てていきます。
🎹本番の経験
舞台は音楽を披露する場所でもあると同時に、自分と向き合う場所でもあると考えています。
(ブログでもたびたび触れていますので、よろしければ併せてご覧ください)
本番までに曲を仕上げる道筋を考え実行する。その過程で生まれる振り返り、修正、反復。
本番での緊張や不安、達成感や悔しさ。舞台の経験はその人の内側を強く育ててくれます。
もちろん、本番の参加は任意で音楽との関わり方のひとつの選択肢です。
ひとりで愉しむことも同じように尊重されるべきだと思っています。
また、コンクールは、入賞すればよい思い出になりますが、そうでない時には心が揺さぶられてしまいます。
受けるにあたっては、その点について慎重に親子さんとお話の場を持ちます。
🎹音楽を通して、自立する
自分で譜を読む。
自分で弾く。
音を聴く。
ピアノは、たった一人で舞台に立ち、音を紡ぎ出す楽器です。
自分自身を鼓舞し、舞台に立ち、たとえミスが起きても誰の助けも借りることなく瞬時に自分で判断し立て直さねばなりません。
しかも、多くの視線が注がれる中で…。
そのことに気づかせてくださったのは恩師のお一人です。
ピアノ教師の存在は、家族以外としては、もっとも長く深く関わり合える人間関係の一人です。
当時元気いっぱいで、甘えの残る子どもだった私の心に、恩師がくださった言葉の中でも印象に残っているものがあります。
「普段は無邪気なままでいいけれど、ピアノを弾くときは少しだけ年上になりなさい」という言葉です。
舞台に立つ人は、自分の音に責任を持たないといけないから、ピアノの前では自分を律していく姿勢も必要です。
自分で工夫して何とかする、小さな背伸びの積み重ねが音楽的な自立につながります。