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第90回 日本音楽コンクール|~第2予選を聴いて~

第2予選の課題は、(a)バッハの指定の作品<パルティータ、トッカータ、フランス組曲、半音階的幻想曲とフーガ、平均律クラヴィーア曲集>から1曲(平均律クラヴィーア曲集を選曲する場合は2曲)を選択し演奏。(b)ショパンのエチュード(練習曲)、指定の作曲家(リスト、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフ、バルトーク、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、リゲティ、間宮芳生)のエチュードの中から選び、ショパンと合わせて2曲または3曲を演奏します。

※(a)と(b)を17分~25分にまとめる

 

<バッハ>

ファンタジア・プレリュードなど即興性にあふれ序曲的で華やかなパートもあれば、フーガなどの対位法楽曲、異なる特徴を備えた舞曲など、ひと言にバッハといっても、それぞれが別のジャンルと言って良いほどに多彩な世界を展開します。そして、内容にきちんと踏み込めているか、タッチの均一性とリズム感は申し分ないか、何より本人がバッハを好きか、など、はじめのフレーズを聴けば大体見通せてしまうのがバッハのこわいところです。

印象に残った演奏は、情熱と確信に満ちた<半音階的幻想曲>、ほとんどを弱音から最弱音の音色美と整ったタッチで表現しきった<トッカータ>、<フランス組曲>の一つひとつの組曲のいとおしい響き。また、演奏者が弾いているというより、そこに自然に音楽が存在するかのような<パルティータ>。いずれもすばらしく、次もまた聴きたいと思わせてくれる演奏でした。

 

<エチュード>

指定の作曲家(ショパン以外)のエチュードに関しては、持ち味を生かした作品を選び、演奏効果の高い難曲とされる作品でも、不足なく弾き込めている方が多かったです。

 

バッハ(平均律)と、ショパンを含むエチュード2曲という類似した課題が、先日聴いた全日本学生音楽コンクールの予選でも出されましたが、テクニック・芸術性・解釈などすべての面において苦労させられるエチュードが、やはりショパンなのだと改めて感じました。方向性は良いのだけれど、多くの出場者がショパンという名の高くそびえる山の頂上を目指して果敢に挑んでいるように感じました。

 

 

また、おまけですが、、男子でペダルを踏む際の靴裏の音が気になる方も。高いところから勢いよく踏み下ろすものですから「パンッ、パンッ」という音が鳴り響き、数回ならまだしも、F(フォルテ)の度に聞かせられるとなると…。自宅で練習をする際は、靴下で踏んでいるからかそれほど気にならないのでしょう。でも本番中は夢中で弾いているから、足元で起きている事態に本人は気づけないのだと思います。これは、指導されている先生、周りの友人がぜひ教えてあげてほしいと思いました。男子も女子も本番前には、舞台で履く予定の靴を履いて練習をすると良いのではと思います。

 

セミファイナルである第3予選に進めるのは10人。

次は、一人持ち時間45分のリサイタルプログラムです。