秋から書き始めた「発表会を振り返って」も、今回が最終回となりました。
しめくくりとなる今回は、発表会当日の様子と、
そこに至るまでの準備などを、つづってみたいと思います。
~本番準備編~
今回の発表会は、長年お世話になってきた五反田文化センターを離れ、緑区民文化センター「みどりアートパーク」での開催となりました。
詩音会としては初めての横浜開催!
「アトパ」は、私にとっても一番身近で、詩音会でもいつか使ってみたいと思っていた、推しのホールでもあります。
予想はしていましたが、会場変更に伴い舞台裏での生徒の動線づくりや場面転換、表彰式の流れなど、見直すべき点は想像していた以上に多くありました💦
アートパーク仕様のオペレーションを一から組み直すことになり、気づけば机の上は、ホールから取り寄せた資料や、作成した書類や図案などで埋め尽くされていました。
ただ、日々の最優先は、もちろん生徒さんのレッスンです。
その合間に、スタッフさんとの打ち合わせや業者さんへの発注、また、ほかの先生方と本番の進行についての確認などの通常業務も並行して進めていたため、今回は、なかなか余裕のない日々が続きました。
それでも、アトパは、これまでにも何度も弾いたことのあるホール。きっと何かあれば、ホールの神様が助けてくださるはず、そう信じて準備を進めていきました。



静かなロビー。
誰もいない客席、舞台袖、ピアノが置かれた舞台。
どれもが、本番の朝だけが持つ、あの背筋の伸びるような気配をまとっていました。
これらを忙しくまわりながら、心のなかで「今日はよろしくね」と挨拶しました。
やがてスタッフも加わり、会場は一気に「発表会の顔」へと変わっていきます。
スタッフは、詩音会の卒業生だったり、私が大学在勤時代に教えていた生徒たち。
今では社会人だったり、大学生だったり、それぞれの場所で忙しい日々を送りながらも、こうして変わらず来て手を貸してくれるのは、本当にありがたいことです!
~それぞれの本番~
いよいよ開場、開演です。
小さな生徒さんは、舞台に送り出すところまでが私の役目。
終わって袖に戻ってきたときのほっとした素の笑顔を一番に見られるのも講師の醍醐味です。
昨年は、袖でなかなかお母さんから離れられなかった子が、今回は一人で出番を待てるようになりました。 初参加の生徒さんが、堂々と舞台へ出ていく背中を見て、とても頼もしく感じたものです。
曲を渡したときの晴れやかな笑顔そのままに、身体いっぱいに響かせた楽しげな音。
日頃の頑張り屋、ときに見せた涙が全部ここにつながっていたのだと、胸が熱くなりました。
そして、今回はじめて、中学生以上の演奏を客席で楽しむことができました
一人ひとりの音は、まるでしゃべっているかのようで、はっきりと個性となって表れていました。
また、舞台に登場してからのステージマナーが、中学生以上になると自然と「さま」になっています。
小学生以下の子たちが、ちゃんとお兄さんお姉さんの演奏を聴いてくれている様子も客席の後ろからうかがえます。
大人の生徒さんで発表会に出演されるのは、習っている方の半数くらいです。こうして舞台に立つために準備を重ねることには、覚悟と努力が要ります。
「聴かせる」演奏ができるのは、大人の方ならでだと感じました。
* * * *
舞台に立つということ。
たったひとりで舞台に立ち、自分がつくり出した音を聴いてくださる方へ届ける。その時間と空間を支配する。
本番では「普段通り」を体現することは言葉で言うほど容易ではありません。
舞台には、緊張という得体の知れない魔物が住んでいるからです。
しかし、その緊張は、時に集中力を研ぎ澄ませて、いつも以上の演奏を引き出してくれる「魔法」をかけてくれることがある。
「できないかもしれない」という心配を手放し、「自分はできる」と信じ、目の前の音楽に没頭すること。
生徒さんたちが日頃伝えている言葉を信じ、それを実行してくれたことが伝わってきました。
舞台で見せてくれた姿は、後日の映像(DVD)とは異なり、誰しも、その瞬間にしか味わえない圧倒的な格別な輝きを放っていました。
終わって晴れやかな笑顔、ほっとした表情。
ここまでたどり着くのは、生徒さん一人ひとりの努力だけで成り立つものではありません。
日々の練習を支え、送り出し、当日まで変わらず見守ってくださったご家族の存在があってこそだと、改めて感じました。
終演後は、中学生以上の生徒さんや大人の方たちが舞台裏に挨拶に来てくださり、いつの間にか「記念撮影&振り返り」の時間に☺️
お互いの健闘をたたえ合いながら晴れやかな表情を浮かべていらっしゃいました。このような光景がみられるのも本番ならでは!
発表会は、過程も本番も大変ですが、それ以上に得られる喜びは大きいものです。
次回のテーマは「練習曲と前奏曲」
技術を磨くために書かれた練習曲。そして、形式に縛られない自由な語法で書かれた前奏曲。
いずれも、作曲家が音楽の核心を、もっとも凝縮して書いたジャンルです。
次回まであと7か月。きっと、あっという間にその日を迎えそうです。
今回のまとめ。教室26年めにして、改めて確信した教訓。
音楽はやはり、「生で聴くに限る!」でした。
🌱 来月(2026年1月)のおさらい会に向けて
発表会は、一つの終わりであると同時に、次の始まりでもあります。
おさらい会は、発表会の華やかさとはまた違う、人前で披露することで自分の成長の途中を確認する場。
また新しい年も、楽しく音楽の道を歩いていきましょう!